不安と期待の処理

今月の15日に1年ちょっと勤めていた会社を退職し、早くも1週間以上が過ぎていた。


「半月間、好き放題過ごしたい」


実家暮らしなのを良いことに、私は今贅沢にもニート生活を謳歌している。


朝はゆっくり目を覚まし

好きな時間に好きな事をして

眠くなったら昼寝をし

時間が合わず会えなかった友達と片っ端から食事に行き

行きたかった場所にも行き

欲しいものも惜しみなく買う

平日の昼間に映画館で映画を見る

そして夜更かしをして

大好きな本や漫画を読み漁る


天国のような日々。

大人になったからには、もうこんな風に長期的に自由な時間を作ることはできないだろう。

つまりこれが、私にとって「最後の夏休み」。

(aikoを聴きながら)



そう考えると、すごくすごく焦る。

「最後」って言葉は無条件に人を急かすもんだ。


最初は遠くに1人旅行にでも行こうかな、なんて考えてた。


知らない土地に行くことによって得られるものは大きい。

価値観が変わったり、視野が広がったり。

よくそう聞くし、実際にそうなんだと思う。


でも何だかんだで、結局私はインドア人間なんだよな。


自然や未知の環境に触れ合う時間よりも、クーラーの効いた部屋でまったり本を読んでいるぐらいがちょうど良いし、いざ旅行を計画しようとしても「待て。私、本当に行きたいのか?」と自分で自分にストップをかけてしまう。全然計画が立てられない。

世間体で「自然とふれあいに行く」を実行しようとしていただけ、だった。

(飲み会で大して食べたくもないのに、最初だからとサラダを頼む時の心境と似ている)



素直に好きなことをすべきか?

自分の心に鞭を打ってでも、新しい事に挑戦すべきか?


今、ここで悩んでる。

もうあと1週間ぐらいしかない。



そういえば会社を辞める決断をする時も、同じような気持ちになったなと思い出す。


1年ちょっと勤めていた会社はとても居心地が良かった。

上司、先輩、同期、後輩。

みんな尊敬できる人たちばっかりで、それなりに愛情も感じていた。

(最終日は不覚にも泣きながら見送られ、送別会では朝まで飲んだ)


自分のやりたいことや未来を考えれば、今こそ一歩踏み出すべき。

ただ、あまりにぬるま湯で心地良い。


悩んで悩んで、悩みまくった結果、私は新しい一歩を踏み出す選択をした。



「あーあ、あの時調子こいて辞めなきゃ良かった!」


いつかそんな日が来るのかもしれない。

100%はないし、人生に後悔はつきものだ。



でも自分で決めたからには頑張らないとなー。

なんて、不安と期待で実は落ち着かないニート生活だったりする。


私が旅行の計画を一向に立てられないのは、もしかするとそんな「新しい環境に対する不安」の現れなのかもしれない。


楽しい旅行になればいいな。

クーラーの効いた部屋、ろくに計画を立てれもしない癖に旅行の冊子を眺めながら、今日も未来に想いを馳せるのだ。



不安と期待の処理。